Chikumoのポタオデ日記

個人的な感想などをつらつらと書き連ねるブログです。

【検証】Fiio M11ProのDSD変換モードはどこまで本当のDSDファイルに近いのか?

DSD変換モード VS DSD256(11.2MHz)

使用したもの一覧

・dBpoweramp(リッピングソフト)

・東京オータムセッション(視聴曲)

 

dBpowerampとは? 

https://www.dbpoweramp.com/dmc.htm

 dBpowerampとは有料のCDリッピングソフトです。買い切りで一度購入してしまえば、パソコンを変えても使用できます。購入価格は一台のみとファミリー用(3~4台使用可能)で異なり、私は一台用を購入したのでだいたい5000円ぐらいでした。

 21日間使用できる体験版も用意されているので、興味がある方はダウンロードしてみるのもよいと思います。

 このdBpowerampで何ができるかというと、リッピングとコンバートです。リッピングに関してはFlac・WAV 32bit 384lHzまで(flacはもう少し高い数値まで設定できるかもしれません。)、DSDも作成することが可能です。コンバートは保存してある曲をアップサンプリングすることが可能です。(例えばmp4形式の曲をFlac 24bit 194kHzにするなど)

 今かなりサンプリング周波数を気にされていると思います。iTunesやMusic Centerなど無料でよいものもありますが、どちらも上限が低くいわゆるハイレゾ認定されるサンプリング周波数でリッピングできないのが現状です。㏈powerampは上限が高いため、体験版を使用してかなり効果を実感できたため購入いたしました。

 

東京オータムセッションについて

 

 

yakumoaudio.hatenablog.com

  簡単に済ませてしまい申し訳ないですが、こちらを確認していただけるとよいかと思います。

 

なんでこの検証を使用と思ったか

 先日レビュー記事を書かせていただいたM11proの機能に、DSD変換モードというものがありました。音の変化に関してはレビュー記事を見ていただいた方は読んでいただけたかと思いますが、全体的に柔らかく滑らかになり音の量が増えたと実感しました。

 その際に、このDSD変換モードがどれだけ本来のDSD再生と同じであるかを確認したいと思いました。

 

yakumoaudio.hatenablog.com

 

DSDってなに?

 サンプリング周波数と量子化ビット数について

 よく〇bit ○○kHzという記載がされていると思います。wavにしてもFLACにしてもデジタル的に音を保存するのでどのくらい細かくとるかといった指標が必要になり、この量子化ビット数とサンプリング周波数がそれに該当します。

 Hzは時間軸、bitは情報量を意味するものです。Twitterを拝見させていただくと人は20kHzしか聞こえないのになぜそれ以上のHzでリッピングするのかというツイートを見かけたりもしましたが、そのHzとサンプリング周波数でのHzは意味合いが違うのでここで覚えていっていただけるといいかなと思います。

 細かい説明をすると、Hzは一秒間にデータを何分割するかの指標です。例えばCDのデフォルトである44.1kHzは一秒間に44100分割しているという意味合いになります。

 bitは情報量をどのくらい細かくとるかの指標です。デジタルの世界では0か1で構成されているのを知っているかと思います。1bitであればあるかないかの0もしくは1のみであらわされます。ではよく聞く標準である16bitはといわれると2の16乗なので65536通りの取り方をします。

 これらを音の波に換算してみると、Hzは一秒間に何か所サンプリング(採取)するか、bitはどのくらい細かく音の大きさをとるかということです。Hzが低いとそれだけとる回数が減り、Bitが少ないと細かい位置決めができなくなります。

 現状32bit768kHzが元の波形に近い量子化ビット数・サンプリング周波数となります。

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一秒間の音の波形(イメージ)

 wavとDSDの違いは?

 wavとDSDの違いですが、すごい簡単に言えば波形で保存するか音があるかないかで保存しているかの違いです。

 wavは先程お伝えしたように一秒間にどのくらいの回数点をつける、その点の位置をどのくらい細かくするかをbitとHzで表し、元の波に復元できるようにしたまま保存します。

 それに対してDSDの保存方法は異なります。DSD256といわれるWM1AやM11Proで使用できる上限のサイズでは、1bit11.2MHzとなっております(CDは16bit44.1kHzです)。あれ?となりますよね。音に関してはあるかないかで判断しているのですから。その代わり一秒間にサンプリングする回数は11200000回とかなり多くなっています。

 DSDとは

「音があるなしを一秒間に10万回以上保存したもの」

と認識していればいいかなと思います。

 

DSD変換モード VS DSD256(11.2MHz)

 さて本題です。今まで長々とDSDについてなど書き連ねてきていましたが、M11proのDSD変換モードと本来のDSDに違いはあるのか?ということです。

 どのような機構でDSDに変換しているのかはわからないため、体感としてどうなのかということをお伝えしていければいいかなとおもいます。

 さて、まずはDSDとはこれというのを理解するためにflac24bit192kHzで保存してある東京オータムセッションを聞きました。DSD変換モードをここ最近使用していたため、かなりすっきしりた印象を持ってしまいました。

 次にDSD変換モードを聞きました。やはりレビュー記事でも書いたとおりに柔らかく滑らかでありながら音が増えたと実感できるました。flacと比べると濃厚さのある音に変化したというのが正確かもしれません。

 さて、最後に比較対象であるdBpowerampでリッピングした東京オータムセッションDSD256を聞きました。DSD変換モードを聞いた時と同じような感覚で、あれ何も変化していない。聴くファイル間違えたかと思いましたが、DSD256でリッピングしたものでした。

 DSD256はDSD変換モードを使用した時より若干滑らかで音が増えたかなという印象を受けましたが、基本的にはDSD変換モードはDSD256と変わらない音をしていました

 

検証結果

 M11proのDSD変換モードはかなり高い水準で作られたモードであり、元のファイルよりもより柔らかく滑らかで音が増え変化を実感できるものであり、DSDリッピングしたものとほとんど音が変わりませんでした。

 DSDファイルがないがどのようなものか体感してみたいという方でFiioを所有している方はDSD変換モードを使用していただけると、本来のDSDと同等の音楽体験をすることが可能であると思います。

【レビュー】Fiio M11Pro 

~そつなくこなす優等生DAP

 

 

 

 

今回は視聴するのに使用するDAPのM11proをレビューしていきたいと思います。

 

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 https://www.fiio.jp/products/m11pro/

八万円台のDAPとして考えてもかなりデザインがよく、所有感を刺激するデザインではないかなと思います。

主な特長

  • 旭化成エレクトロニクス製フラッグシップ2ch DACチップ「AK4497EQ」を2基、左右独立構成で搭載。さらなる低ノイズ・低歪と高出力を両立
  • 32bit/384kHzまでのPCMデータの再生に対応するほか、DSD256のDSDデータのネイティブ再生に対応
  • 独立した2系統の水晶発振器を搭載し低ジッターを実現する新クロックシステム
  • THXの特許技術AAA-78回路をフルバランス構成で搭載したヘッドホンアンプ部
  • 音量の左右不均等を解決するADCボリュームコントロール機能
  • 最新の音楽フォーマット「MQA」のフルデコード機能を搭載
  • もうケーブル選びで迷わない。3.5mmシングルエンド出力端子と2.5mm/4.4mmバランス出力端子を搭載
  • SoCにSamsung「Exynos 7872」を採用。デジタルオーディオプレーヤー史上最高クラスの高速動作を実現
  • BTレシーバー/BTトランスミッターとしても利用可能な先進の高性能Bluetooth送受信機能
  • apt X/apt X HD/LDAC/HWA(LHDC)といった主要高音質ワイヤレスオーディオコーデックに対応
  • 2.4GHz/5GHz帯のデュアルバンドWi-Fi接続に対応
  • 自社開発アプリ「FiiO Music」を搭載するカスタマイズドAndroid OSを搭載
  • スマートフォンからの本体操作を可能にする「FiiO Link」対応
  • AirPlayやDLNAなど、ネットワーク経由での高音質再生に対応
  • 32bit/384kHzまでのUSB DAC機能に対応したUSB Type-C端子
  • USBオーディオ出力(~32bit/384kHz、~DSD256対応)に対応
  • ライン出力&S/PDIFデジタル出力対応の多機能ヘッドホン出力端子
  • リアルタイムDSD変換やダイナミックEQなど、M11をユーザーの好みに最適化する様々な信号処理機能を搭載
  • 64GB内蔵ストレージ&2TB対応マイクロSDカードスロット搭載
  • デジタルオーディオプレーヤー史上最大クラスの圧倒的大画面。5.15インチの18:9 型HDタッチスクリーンを採用
  • 連続再生時間9.5時間、待機時間最大55日間というロング・ライフ動作を実現するほか、急速充電にも対応

M11とM11Proの相違点

  M11 M11Pro
DAC AK4493EQ×2 AK4497EQ×2
マスタークロック 1系統 2系統
アンプ回路 FiiOオリジナル THX AAA-78
ボリューム回路 デジタルボリューム アナログボリューム(ADC)
内蔵メモリー 32GB 64GB
マイクロSDカードスロット 2基 1基
サイズ 70.5mm*130mm*15.5mm 70.5mm*130mm*16.5mm
重量 約211g 約232g
バッテリー容量 3800mAh 4370mAh
ディープスリープ 50日 55日
連続再生時間(3.5mm) 13時間 9.5時間
連続再生時間(2.5mm/4.4mm) 9時間 8.5時間

https://www.fiio.jp/products/m11pro/

先んじてメーカーの説明を引用させていただきました。私はあまりアンプ回路がこれだとこんな感じの音やDACがこれだからこういった感じの音という知識がないため、この表はそういった知識のある人や、DACメーカーの好みがある人用として載せておきます。

 

1.なぜ購入したか

 購入に至るまでの経緯

 M11proを購入するまで、SONYのWM1Aを使用してきました。音は申し分なく良いのですが、出力が弱いことが原因でダイナミックドライバーを搭載したイヤホンの能力を十分に発揮させることができていないと感じてしまうことが多々生じました。

 また、やはりDAPを二つぐらい使用して使いまわしている方を見ると、手持ちで飽きないようにサイクルを組むことができると考えました。

 

 なぜM11proにしたのか

 ほかに候補としては、同じFiioのM15やAstell&Kernの新作のKANN ALPHAも候補として挙げていました。購入段階の試聴時に新たに購入するものに関してのポイントを作成してすべてクリアできる、もしくは七・八割クリアできたうえで音質的にも求めていたものであるといった形で検討しました。

 大まかに挙げてしまうと、

・リスニング寄りではない

・過度な味付けがなく、イヤホンの音を重視している

・出力があり、アンバランス端子でもヘッドホンをある程度鳴らすことが可能である

・寒色系の音色である

・UIが使用しやすい

といったものです。

 試聴に使用したイヤホンはES60(昔から所有しておりますが、見た目で持ち主がばれそうな気がしたため公開しておりませんでした)、ONKYO IE-C2(ワルキューレモデル)+final シルバーコートケーブルです。ES60は今後レビューを挙げる予定ですが、簡単にいうなればステージモニターとしてかなり優秀なCIEMで、音質は暖色系でありながら上から下までしっかりと聴くことができるイヤホンです。IE-C2も今後レビューを上げますが簡単に紹介させていただくと、こちらは出力がかなり必要となるイヤホンではありますが、しっかりとイヤホンの能力を発揮させると中規模ホールで聞いているかのような感覚が味わえるイヤホンです。

 M11proは他の二つよりもモニター気質であり、寒色系の音色でイヤホンの音を重視した音作りであったと思います。ヘッドホンを鳴らす出力に関しては他の二つのほうがあったと思いますが、購入条件の二つ目にM11proが該当したためこちらを購入しました。

 

2.使用感

 UIについて

  私自身音楽が聴ければいいやという人ではあるためUIを重視しない人ではありましたが、いろいろなDAPを触っていくうちに感覚的にこうすればこうなるという「操作方法」を覚えなくても簡単に使用できるものから、少し癖がありこのボタンを押さないと戻らない、音楽再生にも一苦労というものもあることを知りました。

 CDを入れて再生ボタンを押せば音楽が流れる、レコードに針を落とせば音楽が流れる。一昔前のほうが簡単に思えるほど今のDAPは操作のしやすさしにくさに違いが出てきたと思います。

 国産贔屓をするわけではないですが、UIにおいてSONYDAPを超えるものはいないのではないかと思うぐらいにはWalkmanは使用しやすいものです。それを追い越そうと多くのメーカーが独自の考えをUI作製に込めていると感じています。

 海外メーカーのUIで使用しやすいと実感できるのはやはりAstell&KernのDAPではないかと思います。現在5世代目・6世代目?になるハイエンドシリーズを筆頭にポータブルオーディオ界隈の超ハイエンドメーカーとして君臨していますが、音とともに操作感がよく、選曲もかなり楽であると実感しています。

 肝心のFiio M11proのUIはというと標準ぐらいではないかと思います。Androidベースであるため特筆していいと思うところはなく、かといってここが悪いと思うところはないなという可もなく不可もなくといった印象です。

 

 Fiio Music

 Fiioの純正音楽再生アプリです。Pure musicモードにするとこのアプリのみの使用となります。

 

 ホーム画面

 直近のアップデートで大幅に変わり、ホーム画面が結構にぎやかになりました。(良い方向にです)

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最新版のホーム画面

 趣味がわかってしまう状態になります。(恥ずかしい;;)新しいホーム画面は検索窓・再生中のプレイリストまたはアルバムの曲(左右に動かすと前の曲、後ろの曲に動かすことができます)・プレイリスト・端末内の音楽・DLNA・そして下に最近再生した曲/よく再生する曲/最近追加した項目とわかりやすくなったと思います。よく再生する曲に関してはipodユーザーだった私としてはかなりうれしい機能です。ipodは曲取り込みでパソコンに接続すると再生回数上位25曲が入ったプレイリストを作成してくれます。いつも聞く曲は自然とこういったプレイリストに入るため、とりあえずどれ選ぶか悩んだ時の救世主となります。

 

 再生画面

 

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デフォルトと新しい再生画面

  左がデフォルトの再生画面、右が新しく選択できるようになった再生画面です。新しいものは下にスペクトラムなど選択できるようになりました。個人的な感想ですが、好きなアルバムアートワークが大きな画面で見れるのは一つのメリットですが、両端が切れてしまっているため、そこが残念だったなと思っています。また、ファイル形式はデフォルトのみ見れる状態ですので、いろんな形式で保存されている方は確認するのが一苦労かもしれないです。(私は同軸接続する可能性も加味してM11proに入れる曲はすべてFLACの24bit192kHzです)

 また、新しい再生画面はプログレスバーを非表示にすることが可能となるため、アルバムアートワークを楽しみたい人にとっては一つのメリットかもしれないと思います。

 

 Bluetoothを使用し、スマホをM11proのリモコンとして使用することができる機能です。接続してしまうと、一切M11proに触らなくても曲選択することができる優れものです。A&KにもAK Connectがあったように、今は何でもスマホがあれば何でも解決!という状態で、曲選択はスマホで再生はDAPからということも可能になりました。

 いいことだらけに感じるFiio Linkですが、アーティスト検索でアルバムの頭から・・・と思いアーティストを選択すると保存してある曲名がずらーっと出てきてしまいます。普通だとアーティスト→アルバム名→曲名(1から順に)ですが、Fiio Linkを使用すると、アーティスト→曲名(順不同)となってしまいます。アルバムで選ぶ方法もあるためそちらを使用すればいいかもしれませんが、こちらはこちらでアルバムアートワークが出てこないです。

 そのためFiio Linkを使用する際はアルバム名を記憶しておくか、大抵聴きたくなるとわかっている曲はプレイリストを作成して保存しておくとよいかもしれません。

 

3.音質

 最初に試聴用として使用する機器をレビューとして書く際に、どちらを先に書くべきか悩みました。卵が先か鶏が先かの状態なのです。試聴用イヤホンとして使用しているMH334を紹介しても、試聴用DAPがM11proだけですのでDAPが要因の音なのではといわれてしまえば否定ができませんしその逆もしかりです。

 そのため、今回の試聴用DAPであるM11proのレビューにはMH334のほかにES60も用いてレビューを書かせていただこうと思います。

 

 3.5mmシングルエンド

 イヤホンの性能をそのまま表しているといっていい再生能力であると思います。MH334はよく言われるボーカルが近いといわれていますが、その通りに再生しながらもステージモニターとして必要なリズムの取りやすい低音をいじらずにそのまま再生しています。(少し低音がこもって聴こえるのはMH334のアンバランス接続のだからだと思ってます)また解像度は高く、東京オータムセッションでの評価は4.5です。

 ES60にするとこちらもES60の全帯域で過不足のない量感が出ていながらも高解像度を保っており、オータムセッション評価は変わらず4.5です。

 試聴に用いているイヤホンがどちらも日本・世界で多く用いられているステージモニターのため解像度は高いですが、DAPによっては味付けされてしまい変に低音が強いなどといった違和感を覚えることがありますが、M11proに関しては

「イヤホンの音をそのまま味わえるDAP

であると感じました。

 

 4.4mm5極バランス接続

 バランス接続は2.5mmと4.4mmの二系統が用意されていますが、手持ちの関係上4.4mmのみの試聴となります。A&Kが2.5mmバランスを作成し長い間バランス接続の主流として使用されてきましたが、最近ではSONYが開発した4.4mmが多用されるようになってきています。多くのメーカーが4.4mmに乗り換え始め、A&Kでも最新機種は4.4mmを搭載するまでになってきています。

 M11proはそんなバランス接続の変化を象徴しているような形のDAPで、2.5mmも4.4mmも標準装備であることは大きなメリットであると思います。もともと2.5mmを使用されていた方でもそのまま2.5mmを使用することができ、なおかつ4.4mmに興味がわけば4.4mmも同時に使用することができるというメリットがあります。

 前置きが長くなってしまいましたが、バランス接続の音質についてお話しようかと思います。3.5mmと基本的に変わらず、イヤホンの音そのままですがより明瞭感が増しハキハキした音に変化します。3.5mmでは少し低音がこもって聴こえるMH334でも4.4mmにするとこもり具合が消え、しっかりとなる低音は鳴らすが必要以上は鳴らさない、よりリズムを正確に提供するDAPとなったと感じます。少しリズムが早い曲でももたつかずに再生することができるようになったのはバランス接続の恩恵であると実感できます。東京オータムセッションでの評価は5で、しっかりとラジオノイズとそれ以外を緻密に表現し高い解像度を持っていると実感できます。

 ES60はNull AudioのLuneの4.4mmを使用して試聴いたしました。ES60は完全なフラットではないですが、モニターする上で必要なすべての帯域をかけることなくしっかりと再生する能力を持っています。M11proのバランス接続で試聴したところ、何がどのくらいの距離で演奏されているかわかるぐらいに分離感がしっかりとしました。また低音が芯を持ち、しっかりとリズムに乗りやすくなりました。東京オータムセッションでの評価もMH334と変わらず5としっかりとラジオノイズを分離して表現していました。

 M11proの4.4mmで接続すると

「イヤホンの性能をより強化した明瞭な音」

に変化すると実感しました。

 

 DSD変換モード

 M11proにはPCM信号をハードウェアでDSDに変換して再生するDSD変換モードがあります。使用しようとすると注意が出てきて消費電力と発熱量が増え、再生時間が減るが使用するかと聞いてきます。詳しいことはわかりませんが、M11pro内でよりデータ量の多いDSDに変換してからDAC、アンプを通って再生されるため、普段以上に経路が増えるために消費電力と発熱量が増えるのだと考えました。

 聴いてみての感想ですが、多少中低域のふくよかさが増え、暖色感のある温かみと厚みのある音に変化したと感じます。低域の音の厚みが通常より増え、より柔らかく支える低音となりました。音場もかなり広がったような印象を受け、今までイヤホンの音をそのまま出すことに注力していたはずのM11proが、イヤホンの音をそのまま出しながらもより情熱的に、聞き手を感動させる大きな変化をします。

 私もDSD変換モードにしたところでそう大きくは変わらないだろうとたかをくくっていましたが、東京オータムセッションを一曲目に聴いたとたん大きな変化に驚きました。今まで東京オータムセッションの最初は解像度の評価に使用するぐらい、しっかりと再生するのが難しいと思っていましたが、DSD変換モードを使用したところ評価するのがおこがましいほどに滑らかにふくよかに再生されました。

 このDSD変換モードがどれだけ本物のDSDに近いかはわかりませんが、普段のサンプリングレートでは少し粗さを感じられる曲に使用していただくと大きく変化すると思います。

 DSD変換モードは

「より滑らかで柔らかく豊かな音に変化する」

+αでありながら多用したいモードでした。

 

4.総評

 なぜ8万5千円で買えるのだろうか?と疑問を持ってしまうほど多機能でありながら、音もハイエンド機と張り合えるほどの原音再生能力を有しています。現状ハイエンド機を持っていない方で、ステップアップとして10万円前後のモデルを検討しているのであれば検討していただきたい機種であることは間違いないです。コストパフォーマンスという言葉で表したくないのですが、購入に出した価格以上のリターンが見込める機種であることは間違いないです。

 音質も3.5mmはイヤホンの音をそのまま味わえ、4.4mmではイヤホンの音を強化したより明瞭な音に、DSD変換モードを使用するとより滑らかで柔らかく豊かな音になるという三段変化を行えるDAPです。

 初めてのレビュー記事でつたない表現などあったと思います。もっとこうした方がいいなどありましたら教えていただけると嬉しいです。

試聴機器

こんにちは!

先程の試聴曲紹介を投稿してすぐに今回の試聴環境を書いています。私の試聴環境のコンセプトというコンセプトはないのですが、強いて言えば解像度高めにすべての音が聞こえるようにです。

 

では、イヤホン試聴環境です。

私はFiioのM11pro を使用させていただいています。

www.fiio.jp

メーカーさんのホームページを置いておきますので、気になる方はご確認ください。

私の個人的なメリットを挙げると以下のようなことが言えると思います。

・3.5mm/2.5mm/4.4mm搭載

・Fiio linkにて携帯で遠隔操作可能

・出力が大きいこと

 

デメリットは少ないですが、強いて上げるなら

・曲を聴きながら次の曲を探している際、読み込みが入ってしまうと音が途切れること

・停止している曲を最初からにして聴くとぶつぶつ途切れながら聞こえること

です。(店舗試聴機ではならなかったため、購入店舗にて新品交換をしました)

 

次に音に関してです。

特に味付けをしておらず、イヤホン・ヘッドホンの音をそのまま出してくれるといった感覚があります。解像度も高く、聞きにくい帯域が少ないと感じます。しかし、イヤホン・ヘッドホンによっては高音域がきつく感じる方がいると思います。

最初に記載した通り、大きな味付けがないためイヤホン・ヘッドホンをレビューするのに最適ではないかと思い、こちらのDAPを使用させていただきます。

 

次にDAP試聴環境に関してです。

今後試聴環境が変わる可能性がありますが、今のところの試聴環境をお伝えしようかと思います。

3.5mm:ONKYO IE-C2(ワルキューレモデル)+final シルバーコートケーブル

    Fitear MH334+006ケーブル

4.4mm:Moondrop Starfield +自作銀メッキ銅8芯ケーブル

    Fitear MH334+006B4.4ケーブル

です。

過去の試聴環境からの更新です!

MH334に関しては次の記事で記載しようかと思います。ケーブルは同じもののプラグ違いのため、バランス・アンバランスに違いがあるモデルは顕著にわかりやすくなったと思います。

 

 

私の試聴環境は以上の環境となります。

ヘッドホンなどはおそらく試聴環境が異なってしまうことがあるため、感想記事内で記載すると思います。

 

視聴曲と重視するポイント

初投稿から数日経ってしまいました。

書こう書こうと思いながら、習慣がないとまた後ででよいかという思考になってしまうのを打開するのが現状の課題です。

 

さて、今回は私が視聴に使用している曲とどこをポイントにしているかを紹介させていただきます。前の記事でも記載しましたが、私の好きな曲は女性ボーカルものです。そのためよくオーディオ評論家の方々や有名な方がレビューのために使用するような、クラシック音楽やジャズといった昔から続くよき音楽ではないため、感想が異なる場合がありますがご了承ください。

 

まず一曲目はHoneyWorksの【東京オータムセッション】です。

この曲はHoneyWorksの一番新しいアルバムのDisk2の最後に入っている曲で東京○○セッションの三曲目にあたります。東京サマーセッションと東京ウィンターセッションは高校生の青春を現した曲でしたが、今回は高校を卒業した後の各カップルの今を現した曲となっています。

HoneyWorksはコンポーザーのGomさん、Shitoさんとイラストレーターのヤマコさんの三人で構成されたグループです。もともとはボーカロイド曲を作っていたグループでおそらく今現在もボーカロイド曲を作成されているとは思いますが、その中でも「告白実行委員会」というラインナップはボーカロイド曲から始まり今現在はボーカルに声優さんを起用しアニメ化もしたHoneyWorksの代表作となっています。

 

さて、本題の視聴での重視するポイントを上げたいと思います。

この曲の冒頭はラジオから曲が流れているような「ザー」という音が裏で聞こえながら、ピアノと弦楽器の音が流れ、エフェクトがかかったボーカルが始まります。そのあとにラジオ感のある曲調からラジオノイズが消えてピアノと弦楽器がメインの曲調になります。

私はこの冒頭が解像度を測るのに大切な基準として使用しています。この曲の冒頭は鳴らしにくく、解像度が低いイヤホンですとピアノの音が中心になったり、弦楽器の低音が強調されてしまいすべてが聞こえないようになってしまいます。解像度が高いイヤホンを使用するとこの冒頭部分のラジオノイズ・ピアノ・弦楽器がしっかりと分けられて出てきます。

私はこの曲の冒頭の解像度の高さを五段階で分けております。過去に某イヤホン専門店で中古購入したIE-C2はちょうど中心の3で、過去に購入し今は手放してしまったLaylaカスタムは4.5~5といった印象です。

 

次に湊あくあの【#あくあ色ぱれっと】を視聴で使用しています。

湊あくあさんはCover株式会社の女性VtuberグループHololiveの2期生として毎日YouTubeで生配信をされているVtuberです。Hololiveは0期生(途中参入組)~5期生までおり、アイドルをメインコンセプトにおいたグループです。ここ最近ではアメリカグループのGawr Guraさんがデビュー数か月で100万人を突破し、その後も一期生の白上フブキさん、ゲーマーズの戌神ころねさんも100万人を突破したことで話題になりました。湊あくあさん自身も現在約97万人とそろそろ100万人の壁を突破するであろう人となっています。

そんな湊あくあさんは2020年にYouTube上でソロライブ『あくあ色すーぱー☆どり~む♪』を行い、同事務所の方からも絶賛されていました。いつもの生配信でも週に一度ほど歌枠をされたりして練習されています。その歌声は透き通った声をされており高音が伸びやかな歌い方をされています。

さてそんな湊あくあさんの「#あくあ色ぱれっと」での視聴ポイントは冒頭のボーカルとピアノ、ギター、ドラムです(結局すべてでした)。ボーカルは持ち前の透き通る声がしっかりと伸びやかに表現されるか、ピアノは滑らかか、ギターはなった後の余韻があるかとピアノに隠れないか、ドラムはバスドラムがどれだけ量感多く出るかを見ています。

女性ボーカル曲ですと、ノリがいいように低音がどんどん出る曲か滑らかでしっとりとした曲の大きく分けて二分化されていると思います。この曲はしっとりとした曲調から始まり、ノリがいい曲調に変わるという一曲で二度おいしいという曲になっています。

リスニング向けのイヤホンかモニター気質かといったところも見れるうえに、ボーカルの音程がかなり高いため、イヤホンの高音域がどのような鳴らし方をするかを見ることができます。

 

次にさくらみこさんの【サクラカゼ】です。

さくらみこさんもHololive所属の0期生(途中参入組)です。Vtuberとして日々配信を行っています。さくらみこさんは海外リスナーや同事務所内の方からも何言っているかわからないけど、とにかく声がかわいいとして人気を博しています。活舌もご本人が認めるぐらいよわよわで、「~ね」が「~にぇ」と聞こえ本人のトレードマーク的な語尾になってます。最近まで持病で配信をお休みされていましたが、戻ってきた復帰ライブではサクラカゼを最後に歌い、感極まってしゃがみ込んで泣いていたところが印象に残っています。

さてこのサクラカゼも冒頭の部分を中心に視聴しています。最初がピアノと電子音的な曲調で始まり、すっきりしたキラキラとした曲調から低音が出てきてという#あくあ色ぱれっとと同じような冒頭の始まりですが、こちらは高い音域のピアノが中心なのでどのくらいすっきりしているかと高音域がどれだけきれいに鳴らせるかを確認しています。

 

最後にYOASOBIの【夜に駆ける】です。

2020年の紅白歌合戦に急遽参戦することになるほど有名になったYOASOBIはいまだにCDを販売していないという異例の経歴を持っています(数量限定を除く)。YOASOBIはボーカリストIkuraとコンポーザーAyaseの二人組です。

夜に駆けるは、主にボーカルとピアノ、バスドラのバランスと低音の量を確認するために聴いています。この曲で低音が重いか軽いか、沈み込むかどうかを中心に聞いています。また、Ikuraさんのボーカルはかなりきれいに伸びるため、そのボーカルをどう表現しているのかを確認しています。

 

かなり多くの楽曲を紹介させていただきましたが、かなり色々なポイントを重視していると思っています。そしてクラシックやジャズといった楽曲より電子音楽であったり楽器を使用していたり、ボーカルや音にエフェクトがかかっているといった違いがあります。そのため、一息にアニソンといってもボーカルを中心に聴きたい、ボーカルも欲しいけど全体も、この曲のここを気持ちよく聴きたいといったいろいろなニーズがあると思います。それを私個人なりに購入したものは長時間聴いてレビューを、試聴したものは今後確認するための感想として書いてあげていこうと思います。もしよければ今後も見ていただければと思います!

 

最後に今回試聴曲として挙げた楽曲はすべてYouTubeにミュージックビデオが上がっている・iTunesやmoraにもあるため、もしよければ聞いていただければと思ます!(もしブログ等に詳しい方がいらっしゃいましたら、YouTube等の埋め込みに関してを教えていただければと思います。)

 

次回は私の視聴環境を挙げて、直近購入したイヤホンと購入時に同時に悩んだイヤホンをレビュー・感想を挙げていきたいと思います!ブログを書くのに慣れていないため、記事を挙げるまでに時間がかかると思いますが見ていただければ嬉しいです!

自己紹介とこのブログの運用について

初めまして!

Chikumoと申します!

ポタオデを愛する一趣味人間として、個人的な感想を垂れ流してあわよくば好みの曲が似ている方や好みの音が似ている方の参考になればと思っています!

 

【好みの音】

私の好みの音は、スタジオモニター系といわれるすべてがしっかりと聞こえるものが好みです。そのため、人気の高いリスニング系のモデルではあまり好みに合わないということがありますが、ご了承ください。

 

【このブログの運用について】

このブログを運用するにあたって、私の独自のルールを定めたうえで書いていく予定です。

まず、視聴機を視聴したうえでのブログ記事のネタとする際は【感想】という記載をタイトルに入れます。視聴機を視聴したうえでのブログ記事を書く理由としては個人的なメモとしての役割を持たせております。今後購入するかどうかを考える際、視聴時どのような感想を持ったかを明確に残しておくための記事であるためですのでご了承ください。

所有物や新たに購入したものに関してのブログ記事は【レビュー】といたします。こちらに関しては、使用感から音・使用して数か月レビューなどを経時的に記載していこうと思います。こちらは私の好みの音を追求して行く際に琴線に触れたもので、私と同じような曲や音が好みの方の参考になればいいなと思ってレビューさせていただきます。

 

感想・レビュー記事の構成に関して

1.なぜそれを視聴/購入に至ったか

2.メーカーの紹介

3.使用感

4.音質

5.総評

を基本構成として記事を書かせていただきます!

 

次は視聴環境、視聴曲と視聴時に気にしているポイントを記事にさせていただこうかと思います!