【検証】Fiio M11ProのDSD変換モードはどこまで本当のDSDファイルに近いのか?
DSD変換モード VS DSD256(11.2MHz)
使用したもの一覧
・dBpoweramp(リッピングソフト)
・東京オータムセッション(視聴曲)
dBpowerampとは?
https://www.dbpoweramp.com/dmc.htm
dBpowerampとは有料のCDリッピングソフトです。買い切りで一度購入してしまえば、パソコンを変えても使用できます。購入価格は一台のみとファミリー用(3~4台使用可能)で異なり、私は一台用を購入したのでだいたい5000円ぐらいでした。
21日間使用できる体験版も用意されているので、興味がある方はダウンロードしてみるのもよいと思います。
このdBpowerampで何ができるかというと、リッピングとコンバートです。リッピングに関してはFlac・WAV 32bit 384lHzまで(flacはもう少し高い数値まで設定できるかもしれません。)、DSDも作成することが可能です。コンバートは保存してある曲をアップサンプリングすることが可能です。(例えばmp4形式の曲をFlac 24bit 194kHzにするなど)
今かなりサンプリング周波数を気にされていると思います。iTunesやMusic Centerなど無料でよいものもありますが、どちらも上限が低くいわゆるハイレゾ認定されるサンプリング周波数でリッピングできないのが現状です。㏈powerampは上限が高いため、体験版を使用してかなり効果を実感できたため購入いたしました。
東京オータムセッションについて
簡単に済ませてしまい申し訳ないですが、こちらを確認していただけるとよいかと思います。
なんでこの検証を使用と思ったか
先日レビュー記事を書かせていただいたM11proの機能に、DSD変換モードというものがありました。音の変化に関してはレビュー記事を見ていただいた方は読んでいただけたかと思いますが、全体的に柔らかく滑らかになり音の量が増えたと実感しました。
その際に、このDSD変換モードがどれだけ本来のDSD再生と同じであるかを確認したいと思いました。
DSDってなに?
サンプリング周波数と量子化ビット数について
よく〇bit ○○kHzという記載がされていると思います。wavにしてもFLACにしてもデジタル的に音を保存するのでどのくらい細かくとるかといった指標が必要になり、この量子化ビット数とサンプリング周波数がそれに該当します。
Hzは時間軸、bitは情報量を意味するものです。Twitterを拝見させていただくと人は20kHzしか聞こえないのになぜそれ以上のHzでリッピングするのかというツイートを見かけたりもしましたが、そのHzとサンプリング周波数でのHzは意味合いが違うのでここで覚えていっていただけるといいかなと思います。
細かい説明をすると、Hzは一秒間にデータを何分割するかの指標です。例えばCDのデフォルトである44.1kHzは一秒間に44100分割しているという意味合いになります。
bitは情報量をどのくらい細かくとるかの指標です。デジタルの世界では0か1で構成されているのを知っているかと思います。1bitであればあるかないかの0もしくは1のみであらわされます。ではよく聞く標準である16bitはといわれると2の16乗なので65536通りの取り方をします。
これらを音の波に換算してみると、Hzは一秒間に何か所サンプリング(採取)するか、bitはどのくらい細かく音の大きさをとるかということです。Hzが低いとそれだけとる回数が減り、Bitが少ないと細かい位置決めができなくなります。
現状32bit768kHzが元の波形に近い量子化ビット数・サンプリング周波数となります。
wavとDSDの違いは?
wavとDSDの違いですが、すごい簡単に言えば波形で保存するか音があるかないかで保存しているかの違いです。
wavは先程お伝えしたように一秒間にどのくらいの回数点をつける、その点の位置をどのくらい細かくするかをbitとHzで表し、元の波に復元できるようにしたまま保存します。
それに対してDSDの保存方法は異なります。DSD256といわれるWM1AやM11Proで使用できる上限のサイズでは、1bit11.2MHzとなっております(CDは16bit44.1kHzです)。あれ?となりますよね。音に関してはあるかないかで判断しているのですから。その代わり一秒間にサンプリングする回数は11200000回とかなり多くなっています。
DSDとは
「音があるなしを一秒間に10万回以上保存したもの」
と認識していればいいかなと思います。
DSD変換モード VS DSD256(11.2MHz)
さて本題です。今まで長々とDSDについてなど書き連ねてきていましたが、M11proのDSD変換モードと本来のDSDに違いはあるのか?ということです。
どのような機構でDSDに変換しているのかはわからないため、体感としてどうなのかということをお伝えしていければいいかなとおもいます。
さて、まずはDSDとはこれというのを理解するためにflac24bit192kHzで保存してある東京オータムセッションを聞きました。DSD変換モードをここ最近使用していたため、かなりすっきしりた印象を持ってしまいました。
次にDSD変換モードを聞きました。やはりレビュー記事でも書いたとおりに柔らかく滑らかでありながら音が増えたと実感できるました。flacと比べると濃厚さのある音に変化したというのが正確かもしれません。
さて、最後に比較対象であるdBpowerampでリッピングした東京オータムセッションDSD256を聞きました。DSD変換モードを聞いた時と同じような感覚で、あれ何も変化していない。聴くファイル間違えたかと思いましたが、DSD256でリッピングしたものでした。
DSD256はDSD変換モードを使用した時より若干滑らかで音が増えたかなという印象を受けましたが、基本的にはDSD変換モードはDSD256と変わらない音をしていました。
検証結果
M11proのDSD変換モードはかなり高い水準で作られたモードであり、元のファイルよりもより柔らかく滑らかで音が増え変化を実感できるものであり、DSDでリッピングしたものとほとんど音が変わりませんでした。
DSDファイルがないがどのようなものか体感してみたいという方でFiioを所有している方はDSD変換モードを使用していただけると、本来のDSDと同等の音楽体験をすることが可能であると思います。